2020年03月30日

ザーンダムの黄色い旗 

ザーンダムの黄色い旗 
以前スペインからフロリダまで2週間で大西洋を渡るクルーズ船に乗った。マディラ島に寄ったあと、ボクは猛烈な下痢を発症し深夜医務室に駆けこんだ。看護師は強烈に効く下痢止めのカプセルをくれ、検査結果が判明するまで船室から出ないように指示した。カプセル1錠で下痢は止まったが、まる二日間ひどい病院食付きの軟禁状態にされた。だが検査結果は幸運にも陰性が証明され軟禁が解かれた。あとで知ったのだが、そのときは1,200名の客のうち71名がノロウイルスに罹患していたらしい。
ザーンダムの黄色い旗 

その船は予定したバミューダに寄港を拒否され、予定を変更してナッソーに向かった。数日後の朝、ボクは近づく島影を見たくて屋上デッキにのぼったら甲板員がマストに信号旗をあげるところだった。黄色い国際信号旗のQで「本船に病人なし。検疫を頼む」という意味だ。まさしく「幸せの黄色いハンカチ」だった。



話は変わる。ホーランド・アメリカ(HAL)のザーンダム(6万1千トン)は3月7日にブエノス・アイレスを出航し、3月21日には南米大陸西岸のサン・アントニオに到着する15日間クルーズの予定だった。ところが途中で風邪のような症状の患者があらわれ、乗客1243名中13名、乗員586名中29名に症状がみられると陸上へ通知した。それ以降、南米大陸の港々がいっせいにザーンダムに門戸を閉ざした。ザーンダムは一刻も早く患者を陸上の病院に搬送したいが、最終目的地のフォート・ローダデールまでの間のどの港も入港を許してくれるところがない、と言う深刻な事情だ。
ザーンダムの黄色い旗 
HALはパナマ運が通行許可を申請すると同時に、僚船ロッテルダム(5万9千トン)を派遣して必要な物資や応援スタッフ、COVID19感染試薬キットなどを届ける手配をした。その後高齢の乗客が死亡したという報道もある。現在全ての公室は閉鎖され、乗客はそれぞれの客室にとどまるように要請され、食事は全てルームサービスとなっていると言う。ザーンダムも黄色い旗を掲げ1日も早く接岸できることを祈りたい。





Posted by はじめ at 07:26│Comments(0)
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