2022年04月13日

サムライのリバークルーズ船

サムライのリバークルーズ船
中武敏さんが作った「川御座船」は前回に作った「海御座船」につぐ御座船シリーズ第二号だ。将軍が上洛するときや、大名が参勤交代で旅するときに乗る御座船には、海御座船と川御座船がある。川御座船は大坂から京まで淀川を往来する際に使われた御用船で、実物は全長98尺、肩幅20尺という大きな船体だったという。将軍家の川御座船は朝鮮通信使の送迎用にも使われた華麗な船だった。田中さんは製作あたり、神戸に保存される実船の遺構や国会図書館に残る資料などをあたって往時の姿を追求したという。模型作りには、その船が生まれ使われた時代を共有する楽しみが並行する。
サムライのリバークルーズ船

御座船の見所は船体中央の「殿様の居住区」だ。その再現に田中さんは持てる技と神経を集中させただろう。郵便切手にも満たない大きさのふすま戸を開閉させるため敷居に溝を彫っている。模型の一部が動いたり、見えないと思った箇所が覗けたり、礼砲の音が鳴り響いたり、見物人をあっと驚かせる趣向を仕込むのも模型作りのちょっとした醍醐味にちがいない。



「北海道産のエリマキという木を使いたくて」このジオラマをつくった、というのは福田さん。このプリンセス・メイズという船は19世紀にイングランド南部でバージとして作られたが、のちにスコットランドで改装され、沿岸を行き来する定期客船になったという。そういう船の来歴を福田さんはジオラマで再現した。波は6ミリ角檜材を波型に切り分け、開いて交互に貼り付けるという珍しい技法だ。とても落ち着いた大人のジオラマです。(ザ・ロープ展ルポは続きます)
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Posted by はじめ at 06:24│Comments(0)
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