2020年05月29日

新造スカーレット・レディで何が起きたのか!?  

ことし一月、Happy New Yearを添えて最初にとりあげたのはバージン・クルーズの新造第一船スカーレット・レディ就航の話題だった。同船は3月にマイアミから処女航海におもむく筈だったが、忌まわしい新型コロナウイルス騒ぎのせいで、未だフロリダを離れられずに月日が過ぎていた。

5月23日、マイアミ警察は停泊中のスカーレット・レデイ(11万トン:船客定員2,770名・クルー定員1,150名)でクリストファーというフィリッピン人クルーが死亡したと発表した。現場がクルーの自室で自殺の疑いもあることの他、くわしいことは捜査中でわからない。クルーズ就航停止命令が続き、船内には必要最低限のクルーが先の見えない任務についているようだ。事件後バージン・クルーズはスカーレット・レディの次期航海は10月16日出発の予定と発表した。いったい同船で何が起きたのだろう?(情報はCruise Law News,Cruise Industry News,より)  


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2020年05月22日

帰りなん いざ  

ほとんどのクルーズ会社は乗船客をなんとか降ろして帰宅させた。次は船に残っているクルーを母国に送りとどける段取りだ。これが遅れている。ロイヤル・カリビアンのマジェスティ・オブ・ザ・シーズでは長期間カンヅメになっているクルーたちが集まって「会社は我々を早く帰宅させろ!」と騒ぐ事態になっている。RCIは69カ国から集めたクルーを自社船とチャーター機をうまく組み合わせて母国に送る複雑なロジスティックに取っ組んでいるのだが…。

まずビジョン・オブ・ザ・シーズ(オブ・ザ・シーズは以下OTSと略す)はカリブや中南米出身クルーを乗せ5月15日にマイアミを発ちセント・キッツやセント・ルチアへ向かう。ラプソディOTSは5月13日マイアミを発ち、パナマ、コスタリカ、ホンジュラス、グアテマラに送る。アドベンチャーOTSは5月9日バハマを発ちドミニカやジャマイカに向かった。巨船ハーモニーOTSは他の船からフィリッピン人クルーを集めてバルバドスに向かい、そこでマニラ行きチャーター機にのせる計画。アンセムOTSはインド系クルーを乗せてインドに向かっている。到着は6月3日の予定だ。インドネシア人クルーはエクスプローラーOTSとエンチャントメントOTSの2隻に集めてブリッジタウンまで運び、そこからチャーター機で母国へ送る計画。ウクライナとルーマニア人クルーはナビゲーターOTSに集めてマイアミまで送り、そこからチャーター機で母国に送る。

ヨーロッパ系とカナダ人クルーはフリーダムOTSとエンプレスOTS,マジェスティOTSに分乗して一旦イギリスに送り、そこからチャーター機で母国へ帰ることになる。アメリカ人クルーは現地で下船してチャーター機で帰国させる、という複雑な輸送計画だ。クルーは1日も早く我が家に帰りたいし、会社は1ドルでも経費を節約したい。クルーズ会社も大変なんだなあ。(情報はCruise Industry Newsより)  


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2020年05月15日

王女たちの休日   

プリンセス・クルーズはすべてのクルーズ船の本年度の運航を当面停止した。
以下は船名とその詳細です。

エメラルド・プリンセスルビー・プリンセスの全アラスカクルーズ
エンチャンテッド・プリンセス、リーガル・プリンセス、スカイ・プリンセス、クラウン・プリンセス、アイランド・プリンセスの全ヨーロッパ発着クルーズと大西洋横断クルーズ
カリビアン・プリンセススカイ・プリンセスの夏季カリブ海クルーズと全カナダと
ニューイングランド・クルーズ
ダイヤモンド・プリンセスの日本発着夏・秋季クルーズ
サファイア・プリンセスシー・プリンセスのオーストラリア発着の夏季クルーズ
マジェスティック・プリンセスの7月台湾発着クルーズ
パシフィック・プリンセスの秋季ハワイとポリネシア・クルーズ
王女たちのローマの休日ならぬコロナの休日が長引かないことを祈るばかりだ。  


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2020年05月12日

クルーズ業界開店休業   

氷河見物が売り物のアラスカクルーズは毎年五月がシーズン開幕なんだけど今年はそういかない。ホーランド・アメリカは今期のアラスカクルーズの運航中止を発表した。アラスカだけではない。ヨーロッパ、ニューイングランド・クルーズも合わせて運航中止だ。10月3日ボストン発のアフリカ79日間グランドクルーズも中止になった。航空会社と同じように船会社も膨大な船腹をかかえ経営は荒波を迎えようとしている。

Cruise Industry Newsが主だった船会社の月間経費を推計していた。例えばカーニバル・クルーズが一ヶ月に必要な経費は10億ドル(約1,067億円)、ロイヤル・カリビアンが4億ドル(約42億6千万円)、MSCが1億8千万ドル(約192億円)、ノルウエイジャンが1億5千万ドル(約42億7千万円)、4隻しか保有しないディズニーラインでも2千6百万ドル(約27億7千万円)という大金が必要だとか。ヘタをしたら来年までに消えてしまうクルーズ会社がでるかもしれない。大変なウイルス災難だなあ。(情報はcruiseindustrynews.com.より)  


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2020年05月08日

バイキングクルーズの極洋探索クルーズ 

COVID-19の猛威は頂点に達したか予断は許されないが、クルーズの未来に期待して今回は少し明るい話を探して見た。リバー・クルーズからオーシャン・クルーズへ、躍進めざましいバイキング・クルーズの次なる展開が注目されている。現在54隻の河船と、6隻の5万トン級航洋船を保有し、それぞれ市場の先頭をはしっているバイキング・グループは新たな展開を目論んでいるようだ。

バイキング・オーシャンクルーズが2022年1月完成めざし建造中の新ウルトラ・ラグジュアリー船の名はバイキング・オクタンティス(3万トン、6層デッキに客室189、船客定員378名乗員260名)で同仕様の姉妹船バイキング・ポラリスも約半年遅れてデビューする予定。

バイキング・クルーズがめざすのは本格的で上質なクルーズだ。人々の知的好奇心の重視もおろそかにしない。船には生物学をはじめとして植物学、地質学、雪氷学、海洋学、鳥類学、極地専門家など25名の専門家が乗り込む。しかしクルーズの魅力の一つである居住性と食事もおろそかにはしない。四カ所のレストランや開閉式ドームをもつアクアビット・テラスや暖炉つきの展望テラスなどもあるという。コースは野生観察のメッカ、ガラパゴス諸島上陸を含むマチュピチュとペルー観光を含めた15日間クルーズなどがあるが、目玉になるのは南北極洋や北米大湖探索クルーズなどこれまでにないコースだろう。コロナウイルス禍が過ぎる先を見すえてバイキング・クルーズの挑戦はこれから始まる。

  


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2020年05月01日

さよなら ノールダム  

マレーラ・クルーズは同社のマレーラ・セレブレーション(3万3千トン)を近く放出することを明らかにした。日本ではあまり知られてないがマレーラは1973年創業のユリシーズ・ラインが前身で、その後トムソン・クルーズと改名、さらに2017年から現在のマレーラ・クルーズになった英国ベースの大衆的クルーズ会社。いまは7万トン級のエクスプローラー2など6隻を保有しているが、もっとも古手のセレブレーションを処分することで船腹の調整をはかる模様。

ボーイングですら従業員と製造数を縮小するご時世だ。マレーラの船腹調整はニュースにもならないが、ボクの関心はセレブレーションの引退にあった。マレーラ・セレブレーションの前身は1984年フランスで建造されたノールダム(先代)だった。ボクはこのHAL時代のノールダムでバルト海クルーズを楽しんだ思い出がある。デザインの外見は当時の飛鳥やにっぽん丸と比べてもきわめて地味だったが、食事やサービスには大いに満足した記憶がある。そのとき同行した弟などは、その後HALのダムシップに乗るたびに「ノールダムの方が上質だった」とぼやいた。2005年からマレーラに移籍して15年間、乗せた客は50万人になるという。大いに働いた末の定年引退だ。ノールダム、お疲れさん!この先は売られるのかスクラップにするか、セレブレーションの身の振り方は未だ決まってないようだ。(情報はCruise Ship Industry Newsより)  


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