2022年06月25日

借金のカタから解放

料代のツケが溜まり、バハマで借金のカタになっていたクリスタル・セレニティクリスタル・シンフォニーがようやく請出されたようだ。
Cruise Industry Newsが報じるところによると、2隻は競売に付された結果、A&Kトラベルグループに落札された。

しいことはわからないが、一部の報道によれば入札価格はセレニティが1億3千万ドルで、シンフォニーが2千500万ドルだとか。計画中の飛鳥代替え船の建造予算が6億5千万ドル、新造バイキング・オーシャンの建造費が4億ドルと言われるから、中古クリスタル姉妹2隻(セレニティが船齢19年、シンフォニーが27年)の価格1億5千万ドルは安いか妥当か、いかがだろう?新オーナーのA&Tはクリスタルクルーズの名前を存続させ、2023年を目標にリニューアルを施し新しい船出をさせたいと言っている。むずかしい時節、難しい前途です。
 



  


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2022年06月24日

ハーモニー 埠頭にゴツン  

ーモニー・オブ・ザ・シーズと(以下OTSと略す)言えば、22万トンの巨体で知られた世界最大級客船の第一号。中南米諸島の小さな港での出入りでは、さぞかし窮屈な思いをしてるのだろうと、老婆心ながら心配だったが、やっぱりやってしまった。

5月26日の朝、ハーモニーOTSは定刻通りジャマイカのファルマス港に接岸しようとしていた。船長は地元パイロットの指示通り右舷を接岸させるべくゆっくりと後進させていた。その直後、静かな朝の港に大きな音が響いた。巨船の右舷船腹が係留索をとめるコンクリート製のパイロンをこすったのだ。ハーモニーが猛然とサイドスラスターを動かし海水を泡立てるシーンが動画で見られる。事故原因はパイロットと埠頭側にいた助手の判断ミスで、結果パイロンは壊れて水没してしまったが、船体の傷は塗装で修復できるほどの軽傷とわかった。船は翌日以降のスケジュールに変更もなく西カリブ海7泊クルーズを続けた。(情報はCruise Hiveより)

  


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2022年06月18日

二度あることは三度あるぞ   

っぱりこの時期にクルーズなどに行こうとするのは間違ってるのかな。昨日、代理店から「MSCベリッシマ」は12月まで日本寄港がなくなった旨の通知が届いた。理由は「外国船による日本発着クルーズの催行決定の基準を満たすことができず」で、具体的に何なのか理解できない。とにかく予約した9月22日発着便はなくなったのだ。

寄りの旅行は船旅に限ると、春先、セレブリティ・ソルスティスの日本発着クルーズを予約した。ところが同船は不寄港になり、それではとウエステルダムを予約したら、こちらもウクライナ事変のとばっちりで来航取りやめになった。しからば少々ケバいが陽気なイタリアンで我慢しようとベリッシマに乗り換えたらこの仕打ちだ。もうやめた!今年のクルーズは取りやめよう。二度あることは三度も四度もあるだろう。  


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2022年06月17日

人手不足に泣くクルーズ各船   

食規制やマスク規制がゆるんできた。とたんに人の動きが出てきた。クルーズ各社はきびしい検査体制を組みいれ、乗船客数を減らして営業を再開したが、内情ははらはらドキドキらしい。長い「冬眠期間」にいったん雇用契約を解いたクルーが元どおりに戻ってないようだ。

NCLのプライド・オブ・アメリカは年間を通してハワイ4島巡りが楽しめる人気のクルーズ船。いまではアメリカ船籍をもつ稀有な客船だ。船客定員は2,200名でクルーの定数は930名だが、コロナ規制で乗客数を半分ほど減らし1,200名に設定、それに準じてクルーも550名ほどで対応している。しかしここにきてにわかに乗船予約が増え、次回乗船優待券をつけてお断りする事態もあるとか。船会社はうれしい悲鳴だ。しかし客を増やしたければクルーも増やさなければならない。減らしたクルーは急には戻せない。今はスペシャルレストランを一部閉店したり、ディナー時間を動かして対応しているようだ。

らしたクルーの補充で苦しんでいるのはNCLばかりではない。プリンセスやHALも同じようだ。調理場や食堂で不足する人材を系列のカーニバルから臨時契約で呼んでしのぐ場合もあるとか。特に夏の観光シーズンに入ったアラスカ・クルーズではデナリ国立公園など陸上観光地における感染検査と対応がに新たな人材が必要だろう。
  


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2022年06月10日

船で暮らしたい人々  

たむかし話を一席。イスタンブールからビスタフィヨルドに乗ったことがある。船長主催のカクテルパーティで、船長が累計クルーズ日数の多い客をステージにあげて紹介した。呼ばれたのはいずれも100日間以上のクルーズを達成した人々だった。なかには500日という年配女性もいた。当時は使い切れないほどのお金持ちでなければ彼女のマネはできなかったが、こんにちでは500日以上滞在客など珍しくないらしい。



イギリスのプレミアム級クルーズ船のダイニング風景。みなさん、お行儀がよろしい。







アトルの或る夫婦の場合、家を売り早期退職してクルーズ船暮らしを実行した、と先日オーストラリアとイギリスのマスコミが報じている。この夫婦は2021年5月に最初のクルーズの旅に出て、シアトルからオーストラリアまで51日間を楽しんだ。次のクルーズ船を待つ間、友人や親戚の家に泊めてもらっている。夫婦の計算によれば「飲食代を全て含んで1日35ポンド(約5600円)でクルーズ船を家代わりにできる」そうだ。なんだか図々しい感じもするなあ。




こちらイタリアのカジュアル級クルーズ船。夕食時のダイニングルームでは見知らぬ客同士が踊りの輪をつくることもある。





人様に迷惑をかけず安上がりに船上暮らしはできないものか。堀江謙一さんのようにヨットが使えない人のために、手近にあるピースボートの資料で探してみると、窓のないいちばん安い部屋なら188万円(早期予約割引を適用し夫婦で一室を使う場合)で104日間の船旅が出来る。1日あたり18,000円だ。シングルユースなら338.4万円で1日あたり32,600円になる。残念ながらシアトルの夫婦の5600円にはだいぶ差がある。それでもやっぱりピースボートがいちばん近道のようだ。最近はコンテナ船も本業で充分収益があがってるから船客など歓迎しないだろうなあ。

暮らしの場所として眺めると、クルーズ船も高層マンションに見えてくる。呉越同舟という言葉通りクルーズ船も所詮は人間が集まったコミュニティだ。料金の安さだけにとらわれず、楽しく食って、寝て、他人に気兼寝なく過ごせるかどうかもチェックしたいね。
   


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2022年06月03日

 SDGs帆船

船なんて博物館の復元船か帆走クルーズ客船だけだろう、と思ってたら大間違いだ。いまもれっきとした帆装貨物船がコーヒーやワインを積んで大西洋を航海している話をMaritime Exective comが報じている。


界でも珍しいこの現役帆装貨物船の名前はベガ・ガムレビィ(Vega Gamleby)。1909年にスエーデンで造られた3檣トップスル・スクーナー。全長137フィートで80トンほどの貨物を積んだ。ベガを利用する主な荷主はカナダに本拠を持つウイリアム・コーヒー社で、もっぱら生コーヒー豆をコロンビアのサンタ・マルタからアメリカのニュージャージーへ運んでいた。(当然南行き便の集荷は船主の働きだ)ウイリアム社はコーヒー豆と帆船ベガの運航リズムの相性がよかったのだろう。しかし高齢のベガは1967年に現役を引退し、修繕もされず長い間ストックホルムで係船されていた。1993年、ベガは練習帆船に改装工事を受けているとき造船所が火災になり大きな被害を受けた。

ガの生涯はこれでおしまいか、と思われたが、この長命で強運な帆船に多くの救いの手が差しのべられ、練習帆船として修復されることになった。一方コスタ・リカに本拠を置く船主のセイルカーゴ社はウイリアム・コーヒー社などの協力をえてベガに続く新しい貨物帆船の建造計画を作成した。その計画によると新帆船はベガの仕様を踏襲し、木造で昔ながらの技法で建造する。貨物倉は広げて250トン積みとし、乗組員12名の他に乗客12名が同乗できる設備を加えた。3本マストに14枚の帆と6枚のスタンスルを持つほか、新たに可変ピッチ式プロペラ・スクリュウも装備するが、その動力は重油エンジンではなく水素燃料使用の発電機によるバッテリー駆動とし、さらに太陽光発電装置も用いる無公害かつ持続可能なクリーン・システムを採用した。セイル・カーゴ社は新貨物帆船にセイバと命名し、当初より1年早めて2022年の5月下旬に就航を繰り上げ、現在スエーデン人乗組員とコスタ・リカ人乗組員の混合チームの訓練が進行中だという。風とバッテリーを動力にするクリーンな貨物帆船セイバの姉妹船が世界中で増えるといいな。(情報はMARITIME EXECTIVE COMより)





  


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