2024年01月26日

クルーズ船 危うきに近寄らず  

スラム武装組織フーシ派による商船強奪映像は強烈な印象を残している。スエズ運河を経て紅海・アラビア海・インド洋を通航するルートは貨物船のみならずクルーズ客船にも大切な航路だが、客船は襲わないというテロ組織の保証はない。

悪しくこの海域の配船に力を入れていたMSCは、船客と乗員の安全こそ最優先として紅海クルーズを全て取りやめた。予定していたのはMSCスプレンディーダ(船客定員3,400)の4月3日出発ダーバン→ジェノアのクルーズ。MSCビルツオーサー(船客定員6,300)の3月30日出発ドバイ→サザンプトンのクルーズ。MSCオペラ(船客定員2,040名)の4月21日出発ドバイ→ジェノアのクルーズ。遠回りすれば燃料代も余分にかかり、クルーズ料金は加算されるだろう。他社もこれに追従するに違いない。  


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2024年01月23日

コンステレーションでノロ発症100名! 


型コロナウイルスの大流行で、ここ数年かげをひそめていたノロウイルスが目覚めたようだ。アメリカ版美食の船を喧伝するセレブリティ・コンステレーションは1月3日フロリダを出てニューオーリンズからメキシコへ向かっていたが船内でノロウイルス感染者が発生した模様。USA TODAYによれば嘔吐と下痢症状の感染者は乗客2,056名中92名、クルー8名だという。おそらく感染者たちは自室に隔離され食事は毎回運ばれる簡素なものになっただろう。美食など夢の夢でしょうな( …… )。
  


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2024年01月19日

ダイヤモンド・プリンセス定期検査  



回にっぽん丸のプロペラシャフト故障の話をした。にっぽん丸に限らず、大勢の客を乗せるクルーズ船は定期検査が義務づけられている。日本でおなじみになったダイヤモンド・プリンセスもそうだ。同船は現在シンガポールを起点に東南アジア海域で就航しているが、何しろ2004年生まれの船だ。にっぽん丸よりちょっと若いが油断はできない。19日帰港して乗客を降ろせばそのままシンガポールの乾ドックに直行し3週間ほど検査と手入れを受けた後、安全快適なクルーズを目指して2月6日に出航、日本海域へやってくる。  


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2024年01月16日

やっぱし、そうか 


室ではまるでトトロに添え寝されているような騒音だ、と昨秋「にっぽん丸初乗り記」に書いたけど、あれはボクの大袈裟話でなかったことが証明された。 年明け早々にっぽん丸は機関不調にみまわれた。左側の推進軸の異常らしい。そこで12日スタートの初旅クルーズを一旦キャンセルした。それから点検修理を受け、9日に試験運転の結果不調を解決、初旅クルーズは予定通り催行できることになった。メデタシメデタシ。無理もない。1990年生まれのにっぽん丸だ。当年とって34歳、人間なら還暦相当だもの。もう世界一周は無理かもね。  


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2024年01月11日

今年も巨船ぞくぞく  

2023年度のクルーズシップ・オブ・ジ・イヤーズを、なんとMSCベリッシマの販促チームがゲットした。船そのものは就航5年生だけどコロナ騒ぎで青息吐息の業界を「日本寄港最大船」の」売り言葉で強力に牽引した腕力が評価されたのか。ともあれ17万トンは強かった。


さても南京玉すだれ、ではないけど世界のクルーズ業態は、巨船組と豪華小粒組に大別されてきたかと見える。航空業界では巨人機ジャンボジェットやエアバスA380は集客に苦戦して振るわないが、船と旅客機では旅行形態が違うから「薄利多売」が有効らしい。ラグジュアリーとかセレブリティという言葉にこだわらなければ、カジュアルな巨船ならほぼ同じ旅を半額以下で体験できるのだから。

いうわけで今年もSMCベリッシマよりずっと大きくてずっと新しい巨船が続々ととデビューする。話題の筆頭はロイヤル・カリビアンの巨船アイコン・オブ・ザ・シーズ。25万8百トンで世界最大の巨体。最上階デッキはさながら水遊びレジャーランドのおもむき。28カテゴリーある客室に5,610名の乗客を収容する。(大きなお世話だが乗下船時の混雑ぶりが思いやられる)ロイヤル・カリビアンではアイコンに半年遅れでもう1隻の巨船ユートピア・オブ・ザ・シーズを就航させる予定。こちらはやや小さくても乗客は5,714名で船と港の混雑ぶりは変わらないだろう。

きさではアイコンに及ばないがプリンセスの新造船もでかい。2月デビューのサン・プリンセスは同社史上最大で17万5千トン:乗客定員4,300名,さらにLNG焚きの低公害エンジンが売り物だ。プレミアム級船のプライドか、レジャーランド化は控えめだが、最上階前方にアイコンみたいな大展望ラウンジ(?)を設けている。あれ、巨船の話でいっぱいになってしまった。新造ラグジュアリー船の話は別の機会にしようね。  


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2024年01月05日

クルーの世界 衣食住の話 

年中クルーズ船に乗っているクルーたちはどんな生活をしてるんだろう。前回は給金の話で終わったが、今回は衣食住を探ってみよう。ただし、これはインターネットで得た情報であることをあらためてお断りする。




最初に住い。専用の個室をもつ船長や機関長ら上級職員と異なり、千人余もいる一般クルーは大小の「大部屋」暮らしだ。近くに窓があればラッキーで、窓のない下層階が多いようだ。ただし最近の超10万トンの大型船は二人部屋や四人部屋もあるらしい。




専用ベッドは二段式、余分な調度品はない。潜水艦よりもやや広く、布カーテンの仕切りで辛うじてプライバシーを保ってる。小さな机やトイレ、シャワーは数人で共用。これを見るとピースボートの4人部屋がゼイタクにみえる。クルーはここで半年ほど暮らし、数ヶ月の連続休暇をとるのだろう。

Mess Room(メス・ルーム)と呼ばれる食堂は居住区近くにある。通常はセルフサービス式で、船客の朝食と同等レベルの食材の献立だ。船客と同じブッフェで食事する制服のクルーも見かけるが、それはその資格が認められたクルーに限る。Messの近くには休息空間もある。質素だがビジネスホテルのロビー並みの調度があり、ソファで同僚たちと歓談できるし、ちょっとした集会も可能だ。その一画にはパソコンや銀行の出金マシンなどがあった。なかには(1個につき25セント硬貨4枚入れろ)と表示されたコンドームの自動販売機の映像もあった。船によってはクルー専用のバーやゲームマシン、ジャグジー・バス、露天プールを備えているようだ。

居住区の一画に洗濯乾燥マシンが多数ある。クルーのほとんどは勤務中制服姿だが、私物の下着、靴下などは自由時間に自分で洗濯するのだろう。制服の修理は専門係がいるようだ。驚いたのはジムだ。様々なマシンが20台ほど林立していた。以前にっぽん丸に乗ったとき、小さな体育室にマシンが数台あったが対照的だ。外国船のクルーたちはアスレチックに熱心のようだ。

以上ネットで垣間見たクルーの生活環境でした。近頃は傭兵を志願する日本の若者もあると聞く。外国船に乗って働きたい人がいても不思議ではない。しかし外国船勤務は誰でも自由にはできない。Merchant Marine Credential (商船員資格)や Transportation Worker Identification Credential (運輸労働者身分証明書)などが必要だという。残念ですね。





  


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