2023年12月08日

大船も海がシケたら…  

このところブログも開店休業状態が続いたところにスピリット・オブ・ディスカバリー(5万8千トン)の海難ニュースを見つけた。ちょっと時間が経ってしまったけど、この際だから紹介します。

ピリット・オブ・ディスカバリーはイギリスのサガ・クルーズ保有船。サガは日本ならさしずめ郵船クルーズか商船三井クルーズのようにもっぱら英国人客が対象だ。営業方針で「お子様お断り」や「シングルユースさま歓迎」をかかげる大人相手のクルーズ会社ともいえる。創業は1997年でいわゆる「しにせ」ではないが、発足時からサガフィヨルドやビスタフィヨルド、オイローパなど往年の名客船(むろん中古船だったが)を買い集めてリストアしたもの。つまり客船の名球会みたいな会社。(ボクはキュナード在籍時代のビスタフィヨルドに乗ったことがある。イスタンブールからベニスまでの旅だったが、ふねのなかは古臭いわりにクルーも客もプライドが高い印象だった:閑話休題)大船も海がシケたら…  

ころでスピリット・オブ・ディスカバリーは探検クルーズ分野にも進出を図るサガが初めて手にした新造船だった。今回はカナリア諸島14日間クルーズで10月24日にポーツマスを出港し、カナリア諸島の島々を廻ってポーツマスに戻る予定だった。平穏な船旅は後半になって変わった。海況を予測した船長は予定のラス・パルマスを抜港してスペインのラ・コルーニヤに避難することを決め、ビスケー湾に向かった。しかし暴風圏は大陸に接近してきた為、ラ・コルーニヤの港湾当局は港を閉鎖し船の入港を禁止通告を発表した。避難先を失ったスピリット・オブ・ディスカバリーは、やむなくビスケー湾で暴風雨と戦いながら天候の回復を待った。その時の海況は波高9m、風速は50マイル/hだった。約1000人の乗客たちは18時間のあいだ荒れる海上でシェイクされ続け、およそ100人が重軽傷を負ったという。海がシケたら大船も小舟も変わりないなあ。



Posted by はじめ at 08:48│Comments(0)
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